小学生ぐらいの息子を連れた母親は息子のことで相談に来ていた。

「うちの子昔はエレベーターに乗れてたのにテレビでエレベーターが故障するのを見てからすっかり怖がって乗らなくなったの。これから高層ビルを上る機会があることを考えると何とか克服させたいのよ。」

サニー達は親子とともにとあるビルに向かった。そこは10階建てのデパートで各階停止と複数階を通過する準速達とノンストップの速達があった。

「私たちは速達で先に上がってるから後で速達で上ってきてね。」
サニー達はそう言うと先に速達で最上階に上った。

一方下に残った息子はエレベーターのボタンを押そうとするが、テレビの映像が頭によぎりなかなか押せない。意を決して押すとエレベーターは1階に到着して扉が開くと中に乗り込んで10階のボタンを押した。

何事もなく順調に上昇するエレベーター。

(何も起きなくてよかった。)
ほっと胸をなでおろすがエレベーターは突然停止してしまった。8階と9階の間で停止してしまい10階で待ってるサニー達は中で息子が閉じ込められてるのを察知した。

一方エレベーターに閉じ込められた息子は放心してパニック状態になっていた。しかしすぐに非常ボタンのことを言われたのを思い出して押し続けたが、何も反応しなかった。非常ボタンも故障して完全に閉じ込められた息子はパニックになりひたすら助けを求めた。これにただ事ではないと感じたサニーは911に通報した。やがてレスキュー隊が到着すると救出が始まった。隊員は壁を破壊してエレベーターの扉に手を伸ばすが箱がずり落ちてることに気付いた。

「このままでは危険だ!」
隊員がそう言った直後エレベーターは勢いよく落下した。階数表示が1階で停止すると一行は階段を駆け下りた。やがて1階に到着すると行き着く間もなく隊員は専用の鍵を使って扉を開けると息子を救出したが、落下の衝撃で気絶していた。

そして病院に搬送されると気を失いながらも軽傷で済んだが、今回の一件で完全にエレベーターがトラウマになってしまい、外出さえ怖がるようになってしまった。母親は息子をカウンセリングに受けさせ、今回のことに重荷を感じながらも少しずつ外に出れるようになればと思ったそうだ。

終わり

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